プログラミング教育の教材は?「小学校プログラミング教育の手引き」とは

小学校でのプログラミング教育必修化何年生から教材は何を使うの?という疑問は、「小学校プログラミング教育の手引き」を読み解くことで理解が深まります。webサイト「未来の学びコンソーシアム」には、具体的なプログラミング教育の実施事例が多数掲載されています。「プログラミング教育とは具体的にどのようなものなのか、プログラミング教育が必修化になる背景などを紹介します。

プログラミング教育必修化は何年生から?

プログラミングは何年生から

2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化されます。中学校では2021年度、高校では2022年度に順次プログラミング教育が授業に組み込まれます。小学校では全学年でプログラミング教育が必修化されるのか?というと、全国一律で決められているわけではありません。

  • 何年生からプログラミング教育を行うのか
  • プログラミング教材
  • プログラミングが取り入れられる教科

は、地域の教育委員会や学校の裁量に委ねられています。

学習指導要領に例示されている内容は、「第5学年の算数:図形(1)正多角形」「第6学年の理科:物質・エネルギー(4)電気の利用」「学年指定なし:総合的な学習の時間」になります。このことから、5年生と6年生でプログラミングを取り入れる学校が多いと思われます。

しかしながら、プログラミング教育に積極的な地域や学校は低学年からプログラミング教育を導入するでしょう。文部省・総務省・経済産業省が連携して立ち上げた「未来の学びコンソーシアム」には、プログラミング教育の実施事例がたくさん公開されています。※以下はほんの一例です。

学年 教科 授業内容 教材
2年生 音楽 「繰り返し」を使ってリズムを作る Scratch
3年生 総合的な学習の時間 郵便局の仕事をScratchで表現する Scratch
4年生 理科 方位磁針を作ろう micro:bit
5年生 総合的な学習の時間 ロボットカーを動かすプログラムを考える Artec Robo
5.6年生 教育課程外のもの 「プログラミング×防災」センサーで障害物を避けるロボットをプログラムする マインドストーム(R) EV3

小学校プログラミング教育の手引き(第三版)に追加された事項

小学校の画像

小学校プログラミング教育の手引き」は、文部科学省が公開しているプログラミング教育の指針です。令和2年2月に「小学校プログラミング教育の手引き(第三版)」が公開されました。第一版が公開されたのは平成30年3月で、平成30年11月に第一版の内容に追記した第二版が公開されました。

第二版では、「A分類:学習指導要領に記載してある内容でのプログラミング教育」「B分類:学習指導要領の内容に沿ったプログラミング教育」「C分類:カリキュラム(教育課程)の内容に沿い、教科とは別に行うプログラミング教育」が追加されました。第三版では、企業と連携して行うプログラミング教育の指導例とICT環境・教材整備・研修の留意事項が追加されました。

プログラミング教育必修化によくある間違い

プログラミング言語は教えない「プログラミング必修化」というと、子どもがアプリを作れるようになったり、ゲームを作れるようになったりするのでは?と思うかもしれませんが、そうではありません。小学校では、プログラミング言語は教えないのです。これを聞いて、「え?」と思いませんでしたか?私も、ガッカリしました。プログラミング言語とまではいかなくても、教育用プログラミング言語のScratch(スクラッチ) micro:bit(マイクロビット)などを小学校で教えてくれることを期待していたのです。

「プログラミング」という教科はできない

小学校の英語の授業のように、「プログラミング」という教科ができないのはなぜでしょうか?それは、小学校においてプログラミング言語を学ぶのは早すぎるという意見はあるかもしれません。しかし、教育用プログラミング言語ならば小学校1年生でも十分に学べる内容です。ここは想像なのですが、小学校の先生が短期間で教育用プログラミング言語を習得するのは難しいという点と教育用プログラミング言語を学ぶ環境を整備するのが難しいという点があるのではないでしょうか。

プログラミング教育必修化の内容

では、コードを学ばないのなら小学校で何を教えるの?ということになりますよね。小学校でのプログラミング教育の狙いは、

  • プログラムに興味を持つこと
  • 各教科での学びを確実なものにすること
  • プログラミング的思考を育むこと

の3点になります。キーボードで文字の入力をすることはもちろん、簡単なファイル操作などはすでに小学校の授業で教えているところも多いのではないでしょうか。先ほど、小学校では教育用プログラミング言語を習得させることは目的とはしないと書きましたが、体験させることで子どもは興味を持ちますよね。情報化社会においてどのような場所でプログラムが使われているかを学ぶのも立派なプログラミング教育です。

算数や理科、音楽や英語・社会などにプログラミング教育を組み込むことで、プログラミングだけではなく各教科の単元の理解を深めることが可能になります。

プログラミング的思考とは?

プログラミング的思考とは、簡単に言うと「論理的に考える力」です。プログラムを作成するには、コードを言語のように覚えるだけではなく論理的に考える力が必要なのです。なお、プログラミング的思考には論理的に考える力だけではなく記号や数字などを用いて分かりやすく説明する力も含まれます。プログラミング的思考は、プログラミングだけではなくどのような職業に就いても役立つ能力です。

なぜプログラミング教育が必修化になるの?

プログラミング教育の教材なぜ、プログラミング教育が注目されているのでしょうか。その理由は、世界の動向に添った結果と言えるでしょう。現在、90%の職業がIT技術を必要としていると言われています。それに比べて、IT人材が不足しているのです。世界の状況も同じで、日本だけではなく、世界中でプログラミング教育が必修化されて実践され始めています。ここで乗り遅れてしまったら、日本の将来が暗いものになってしまうことでしょう。プログラミング教育必修化には、将来を見越したそうした思いが込められているのです。

第4次産業革命とは

2013年に内閣が発表した「日本再興戦略」では、第4次産業革命について言及されています。第4次産業革命とは、

  • ロボット工学
  • AI(人工知能)
  • IoT及びビッグデータ

などが及ぼすである経済効果のことです。未来のエンジニアがこうした技術を習得するために必要な基本的な考え方を小学生のうちから学習するということですね。

小学生の親はどのようにプログラミング教育を受け止めるのか

小学校でのプログラミング教育は、プログラミング言語を学ぶものではありません。プログラミング教育の目的は、プログラミング的思考を子どもに根付かせることです。小学校の教科に音楽や体育がありますが、全ての子どもが演奏家になるわけではなく、オリンピック選手になるわけではないのです。(しかし、学んだことは決して無駄ではありませんよね。)

中には、小学校で体験したプログラミング教育がきっかけでエンジニアやプログラマーになる人材が出でくるでしょう。しかしそれは、小学校で図工が好きだった子どもが芸術家になり、英語が好きだった子どもが通訳になるようなものです。すべての子どもがプログラミングに興味を持つわけではありません。

「プログラミング教室に通わせなければ」と思うかもしれませんが焦ることはありません。無料で始められるプログラミング教材はたくさんあります。PC環境を用意するのが難しい場合は、非営利プログラミング道場の「CoderDojo」を利用する手段もあります。ゲーム機のSwitchでもプログラミングができますよ!子供がプログラミングに興味を持ったら、全力で応援すれば良いのです。