プログラミング教育必修化とは

2020年から小学校でプログラミング教育が必修化となります。2021年からは中学校、2022年には高校で新学習指導員要領が実施されます。小学校のプログラミング教育では、新たに「プログラミング」という授業が追加される訳ではありません。各教科の理解を深める目的でプログラミング教育が行われます。

プログラミング言語を教えるのではなく、プログラミングに興味・関心を持ってもらいプログラミング的思考を育むことが目的となっています。

高等学校で実施されるプログラミング教育は、小学校のプログラミング教育とは異なり「情報Ⅰ」という科目が新設されます

  • プログラミング
  • ネットワーク(情報セキュリティを含む)
  • データベースの基礎

などを全ての生徒が履修することになります。

ICT教育とは

ICT教育とは、PCやタブレットなとの情報端末を利用して授業を効率良く・分かりやすく行うことを言います。それ以外にも、ICTを活用した公務支援システムの導入によって教員の負担を軽減することもICT教育に含まれます。

公務支援システムで作業を効率化

総合型公務支援システムは、文部科学省が平成30年度以降のICT環境整備で100%の導入を目指しているシステムです。「教員の働き方改革」と言われていて、長時間の残業を減らしたり、生徒の情報を他の先生方と共有するのが目的です。公務支援システムの具体的な内容は、

  • 名簿管理
  • 出席簿
  • 成績処理
  • 通知表
  • 指導要領

など手書きや手作業で行っている業務を一括で行えるシステムです。PCでデータを管理しているという先生方も多いかと思いますが、EXCELデータの転記によるコピペ間違いなどが発生しないので、作業時間の大幅な短縮が見込めます。

教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画

文部科学省では、2018年から2022年にかけて段階的にICT環境を整える計画を立てています。ステージは全部で4つあり、先進校ではStep4、全ての学校にStep3までのICT環境が導入される予定です。

ICT環境整備Step1

  • 電子黒板(大型提示装置)の設置
  • 各教室に1台PCを設置する

ICT環境整備Step2

  • 電子黒板(大型提示装置)の設置
  • グループに1台可動式PC
  • 無線LAN

ICT環境整備Step3

  • 電子黒板(大型提示装置)の設置
  • 3クラスに1クラス分程度の可動式PC(PCを使用する授業で1人1台のPC操作が可能な数)
  • 無線LAN

ICT環境整備Step4

  • 電子黒板(大型提示装置)の設置
  • 1人1台の可動式PC
  • 無線LAN

これら各ステージのICT環境は必要最低限として示されたものであり、各学校で自主的にStage4のICT環境を整えることが期待されています

電子黒板と黒板を使い分けるのがポイント

電子黒板が活用されるようになれば、今まで使用していた黒板は無くなってしまうのでしょうか?いいえ、電子黒板は黒板の代用品ではありません。電子黒板が導入されてからも、黒板は今まで通り使用されます

電子黒板と黒板の「使い分け」をするようになるんですね。

黒板の使用例

  • 生徒にノートを取らせる内容を書く
  • 児童が発言した内容を書く
  • 文字や簡単な図を書く

電子黒板の使用例

  • 前回の授業内容のまとめを提示する
  • 図・表・教材を提示する
  • 映像や写真・アニメーションを提示する

黒板は、長時間残しておきたい内容を書く場合に適しています。それに対して、電子黒板は短時間提示したいものに使用されます。タッチ操作で一部を拡大したり移動することも可能です。提示したものにマーキングをしたり文字を書き入れることが出来るのも特徴です。

可動式PCのメリット

可動式PCとして考えられるのは、ノートPCやタブレットPCになります。タブレットPCは、指でタッチ操作をするだけではなく文字入力キーボードとセットで使うことも可能です。タブレットPCは持ち運びが便利でカメラで動画や静止画を撮影できるので、授業に活用する幅が広がりそうです。

無線LANで複数の情報端末をインターネットに接続


無線LANは、ケーブルなしでインターネットに接続することが出来るシステムです。学校では、授業で複数のPCが一斉に使用されるので、家庭用の無線LANではなく業務用の無線LANを使用します。無線LANの使用による情報漏洩が懸念されますが、現在の無線LANは暗号化技術や認証技術がしっかりしているので、心配することは無いでしょう。

ICT支援員について

全国の学校でICT環境が整備されたとしても、授業で効果的に活用できなければ意味がありません。授業でICTを使用するには、教員のICT研修が必須となってきますが、それだけではICT活用は普及しません。

文部科学省が行ったアンケートによると、回答した学校の7割がICT活用が進まない主な理由として「ICT活用をサポートしてくれる人材がいない」ことを挙げています。学校でのICT活用を支援するICT支援員を確保して欲しいという要望を受けて、ICT環境整備5カ年計画では4校に1人のICT支援員の配置を目標にしています。

ICT支援員が足りない!

2018年6月地点でのICT支援員の数は1,141名となっていて、まだまだ4校に1人ICT支援員を派遣できる状態ではありません。小学校に配置されているICT支援員の割合が一番高い沖縄県においても、5.9校に1人となっています。

秋田県においては、小学校数202校に対してICT支援員は2名となっており、4校に1人とはほど遠い状況です。

教育ICT化のメリットとデメリット

教育のICT化でクラスに1台電子黒板が導入されれば、理科や社会などの資料や算数の図形・国語や英語の教科書を瞬時に大きく表示させることができるので、先生の板書の手間が省けます

こちらの宮城教育委員会が作成したプロモーションビデオを見ると、教育のICT化のメリットがよく分かります。

教育のICT化は、メリットだけではなくデメリットもあります。たとえば、1人1台タブレットPCを使用するようになると一度に30台以上ものタブレットPCが起動します。それだけ、フリーズなどのトラブルも発生しやすくなります。トラブルにどう対処していくかも今後の課題になりそうです。

他にも、地域によって教育のICT化が進んでいる小学校と進んでいない小学校の差が生じることが懸念されます。ICT教育は各校長がリーダーシップを発揮することを期待されていますが、ICT機器を購入するお金がなければ環境整備できないので、各自治体がICT環境整備に多くの予算を確保してくれることを期待します。

※平成30年度は667百万円が教育の情報化関係予算とされている他、地方財政措置として単年度1,805億円の措置が取られています。